「個人事業主として開業した!」

「個人事業主として開業予定です!」

もしこの記事をご覧になっているあなたがこのような状況であれば、これから長い期間にわたって税金とお付き合いをしていくことになります。

税金の難しい話は専門家である税理士にお願いしてしまっていいと思いますが、経営をしていくうえで、一般的な税金の仕組みや制度について知っておくことは有益であり、とてもおすすめです。

今回は、みなさん一度は聞いたことがあるであろう「青色申告」という制度についてご説明します。

※この記事では個人事業主の青色申告について説明しています。

確定申告には青色と白色の2種類がある

個人事業主として開業した場合、確定申告をして税金を納めないといけないことはみなさんよくご存じだと思います。

この確定申告には実は大きく分けて2つの種類があり、そのうち1つを青色申告、もう一方を白色申告と言います。つまり、青色申告というのは確定申告の種類のことなんですね。

それぞれの違いですが、分かりやすく言うと、作業に少し手間はかかるけど税金がたくさん安くなり色々な特典も貰えるのが青色申告、簡便的な方法でいいかわりに税金はあまり安くならず特典もないのが白色申告です。

青色申告白色申告
メリットメリット
・税金が安くなる・簡便的な手続きでOK
・その他にも各種特典がある
デメリットデメリット
・白色申告よりも手間がかかる・税金が安くならないし特典もない

日ごろからしっかりと管理を行い、ちゃんと確定申告をして納税している人にはたくさんメリットを与えますよ、というのがこの青色申告という制度のイメージです。

少し違いますが、自動車の免許証更新の時に、ゴールド免許の人は30分くらいのビデオを見るだけで済むのに対して、交通違反をした人は何時間もかかってしまうのと同じようなイメージですね。

青色申告はやった方がいいの?

確定申告には青色申告と白色申告の2つがあることは分かったけど、じゃあどっちを選んだ方がいいの?

という方に先に結論をお伝えしますと、

絶対に青色申告にした方がいいです。

大きな理由は次の2つです。

・青色申告で受けることができる税金のメリットや特典がかなり大きい

・白色申告を選択しても、めちゃくちゃ楽になるわけではない

国としても、ちゃんと納税をしてもらうためにあえて大きなメリットを設けている制度ですので、使える制度はきちっと使っていくことをおすすめします。

青色申告の具体的なメリット

青色申告にした方がいいのは分かったけど、じゃあ具体的にはどんなメリットがあるの?

ということで、青色申告の具体的なメリットを列挙すると以下の通りです。

お金を使わずに65万円分が経費になる
奥さんや家族に対してお給料を支払うことができる
赤字を3年間繰り越せる(税金が返ってくるケースも)
30万円未満の物を買ったときに全額を一括して経費にできる
その他の税務上の特典(税額控除、特別償却、貸倒引当金の計上など)が受けられる

このように、青色申告のメリットはたくさんあるのですが、やはり一番分かりやすくメリットが大きいのが「お金を使わずに65万円分が経費になる」という特典です。
(なお、この特典のことを正式には青色申告特別控除と言います。)

具体的にどれくらいの金額的なメリットがあるのかは次で解説します。

65万円経費が増えるとどれくらい税金が変わるのか?

お金を使わずに65万円分が経費になると言われてもなかなかピンとこないため、具体的な数値例で表すと以下のとおりです。

青色申告と白色申告の違いは一目瞭然で、青色申告を行うことによってかなりの税金が安くなっているのが分かると思います。

「238,550円お得」とか書いてあるけど上手い言い方してで大きく見せてるだけなんじゃないの?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これは、実際に手元から出ていくお金が20万円以上節約できるという事なので本当にめちゃくちゃ大きいメリットです。

たまに、「青色申告はなんだか難しそうだし、税理士の先生にお願いするとお金がかかりそうなのでずっと自分で白色申告をしていました」というお客様がいらっしゃいますが、はっきり言って、節税額(上の例では23万円)以内であれば、税理士の先生にお願いして青色申告をやってもらった方が時間もコストも節約できます。

それくらい、大きなメリットがある制度という事がご理解いただけますと幸いです。

青色申告をするために必要なこと

ここまでお読みいただいた方であれば、ほぼ間違いなく青色申告をやってみようと考えているはずです。

では、青色申告をするためには何をしなければいけないかというと次の4つが必要です。

①事業所得、不動産所得、山林所得のどれかがあること

実は、所得税法ではどのような方法で利益を出しているかによって10種類に区別がされていて、そのうち「事業所得」、「不動産所得」、「山林所得」のどれかに該当する場合にのみ、青色申告が可能になります。

それぞれの概要は次のとおりです。

事業所得

いわゆる自営業の方の所得が該当します。
小売業、飲食業、サービス業、農業や漁業、医療、IT、ユーチューバー、士業、コンサルタントなどなど、大部分の方がこの所得に該当します。

不動産所得

マンション、アパート、一軒家、駐車場用の土地など、不動産を貸すことによる所得が該当します。いわゆるマンションオーナーのイメージですね。

山林所得

山林の伐採や立ち木のままの譲渡による所得が該当します。
あったら珍しい種類の所得です。


なお、サラリーマンのお給料は「給与所得」という区分に分類されるため、青色申告はできません。(ただし、サラリーマンとしてお給料をもらいつつ、さらに上記どれかの収入がある場合には青色申告が可能です。)

つまり、一言で言ってしまえば、どれか1つでも該当するものがあればいい、というのがこの要件です。

②税務署に青色申告開始の届出をすること

青色申告に限った話ではないですが、税金などでメリットを受けようとする場合にはほぼ必ず税務署への届出が必要となります。

青色申告を始めるためには、「青色申告承認申請書」というものを、青色申告書による申告をしようとする年の3月15日までに所轄の税務署まで提出する必要があります(新規開業の場合には開業から2ヵ月以内に提出)。

ここで注意が必要なのが、「青色申告書による申告をしようとする年の」という部分で、確定申告は1年が終わったあとの翌年の2月~3月15日までに行いますので、今年の確定申告の直前に気が付いてあわてて青色申告承認申請書を提出しても、青色申告が適用されるのは翌年の確定申告からになってしまいます。

このあたりの提出期限は税務署も非常に(非情に?)厳しく、忘れていましたは基本的に通らないため、届出は1年前までにする必要がある、と覚えておいていただければと思います。

③複式簿記を使って記録をつけること

はっきり言って、これが青色申告が面倒で難しいと思われる一番の理由です。

確定申告を行うためには、白色申告の場合であっても売上や仕入れを記録して集計する作業が必要になりますが、青色申告をするためにはさらに踏み込んで、「複式簿記」という方法で行う必要があります。本屋などで「簿記3級」とか見かけるあの簿記です。
誰もが知っているあの大企業も、某有名テーマパークも、街の商店も(青色申告の場合は)、すべてこの簿記というルールで経理処理を行い、売上や利益の集計や決算書の作成を行っています。

難しい話は割愛しますが、全く前提知識のない人がこの簿記を使って日々の取引を記録することは自力ではかなり難しいと思います。
そのため、この要件を満たすためには会計ソフトを利用する必要があります。

ちなみに、会計ソフトには従来からあるインストール型のものと、ここ数年で登場し進歩がめざましいクラウド型のものがあり、当事務所ではクラウド型の業界シェアトップのfreee(フリー)とMFクラウド(マネーフォワード)の2つのみを専門に扱っています。

クラウド会計ソフトの概要や選び方はについてはこちらをご覧ください。

会計ソフトを利用すると、簿記を知らなくても簿記の形式で日々の取引が記録されていくため、この複式簿記の要件を満たすことができます。

なお、会計ソフトはインストール型でもクラウド型でも年間で1万円~購入費または使用料が発生します。ただ、上でご説明したとおり、青色申告を行うことで20万円以上も税金が減ることが分かっていますので、多少の出費はやむなしと割り切って突き進んでいただければと思います。

④期限内に申告すること

所得税法では毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得について、翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告を行い、所得税を納付することになっています。

青色申告で65万円のメリットを受けるためには、期限内での確定申告が必要ですので、忘れずに実施しましょう。

令和2年度以降の確定申告からの改正点

いままでご説明してきた青色申告ですが、令和2年度分の確定申告から次の点が改正されました。

青色申告特別控除の金額が65万円から55万円へ減額

・青色申告特別控除 65万円 → 55万円(10万円ダウン)
・基礎控除(誰でも摘要される控除) 38万円 → 48万円(10万円アップ)

という改正が行われました。

青色申告のメリットは10万円減ってしまいましたが、基礎控除という誰でも受けられる控除が10万円増えていますので、結果としてはプラマイゼロです。

ただし、電子申告(e-TAX)で申告または電子帳簿保存をすると従来通りの65万円控除

青色申告特別控除は55万円に減額されてしまいましたが、次のどちらかを満たした場合には従来通り65万円の控除が受けられます。

基礎控除が一律10万円アップしていますので、トータルで考えると従来と比べて10万円分の控除(=経費)を増やすことができますので、ぜひトライしていただければと思います。

ちなみに、どちらか一方を満たせばよく、「電子申告(e-TAX)で申告する」方法が手間もすくなく断然おススメです!

方法①:電子申告(e-TAX)で申告する

e-Tax とは、申告などの国税に関する各種の手続について、インターネットを利用して電子的に手続が行えるシステムのことを言います。

ご自宅等のパソコンにより、e-Tax で確定申告書・青色申告決算書等のデータを提出(送信)することによりこの要件を満たすことができます。
なお、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」で確定申告書・青色申告決算書等のデータを作成し、e-Tax で提出(送信)することもできます。

具体的な手順は国税e-TAXのホームページをご参照ください。
https://www.e-tax.nta.go.jp/kojin.html

方法②:電子帳簿保存をする

電子帳簿保存とは、一定の要件の下で帳簿を電子データのままで保存できる制度のことを言います。

この制度の適用を受けるには、帳簿の備付けを開始する日の3か月前の日までに申請書を税務署に提出する必要があり、原則として年度の途中から適用することはできません。

さらに、紙資料(領収書、請求書など)はスキャンして保存することになるのですが、スキャンの実施期限が決まっていたり、タイムスタンプというデータ改ざん防止のWeb上の判子のようなものを付与しないといけなかったり、いきなり実施するにはかなりハードルが高い制度だと思います。

繰り返しにはなりますが、65万円の青色申告特別控除を受けようと思ったら電子申告(e-TAX)を行う方法をおススメします!

一応、ご興味がある方のために国税ホームページのリンクを貼っておきます。
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/index.htm

まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございました。

確定申告が初めての方も、青色申告がとてもメリットの多い制度だということが分かっていただけたと思います。

青色申告を行うことは、簡単かつ確実な大きな節税策の1つですので、ぜひ積極的に活用していただければと思います。





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