クラウド会計ソフトの種類

クラウド会計ソフトにはいくつか種類があり、業界全体のシェアは次の図のようになっています。

※従業員300人以下の中小企業等8,851社を対象
(出典:クラウド会計ソフトの法人導入実態調査 MM総研 2017年09月26日)


クラウド会計ソフトは上位4社で約8割のシェアを占めており、その中でもfreee、MFクラウドで約半分のシェアを占めています。当事務所ではシェア上位2社のfreee(フリー)MFクラウド(マネーフォワード)の2つに絞って取り扱っております。

なお、シェア第3位の弥生会計オンラインは、銀行口座の自動連係機能がなく、いったん外部のソフトを使用してデータを取り込んだ後に弥生会計オンラインと同期するという方法が取られているため、自動連携による経理業務の効率化を重視している当事務所では、現在は取り扱っておりません。

クラウド会計ソフトの選び方

クラウド会計ソフトを選ぶにあたっては、どのような目的でクラウド会計ソフトを導入するかを明確にすると判断しやすくなります。検討すべきポイントとしては次のような項目があります。

普段使っている銀行口座、クレジットカード、POSレジなどがデータ連携の対象となっているか(freee、MFクラウドの場合、ほぼ問題なくすべて銀行口座、クレジットカード等に対応していますが、地方銀行や電子マネーの場合は取り扱いが異なるケースがあるため必ず確認が必要です)
ユーザビリティ(使いやすさ)は問題ないか、デザインは好みか(長く使うものなので意外と重要です)
スマートフォンに対応しているか
自社がもとめる機能(人事労務をクラウド化するか等も含めて)に対して、コストパフォーマンスはいいか
税理士・会計士に業務をお願いしている場合、その税理士・会計士が該当するクラウド会計ソフトに対応しているか

大手のクラウド会計ソフトでも操作性やサポート体制などには少しずつ違いがあり、使用感については好みの問題もあるため、まずは各社が設けている無料お試し期間でいろいろと操作をしてみて選ぶのが確実です。

とはいえ、いろいろ試すのは面倒!という方のために、freee(フリー)、MFクラウド(マネーフォワード)のそれぞれについて、どのような方が相性がいいかご紹介いたします。ご参考にしていただければと思います。

freee(フリー)がおススメの方

  • 経理や会計が全く分からない方(freeeでは借方・貸方といった会計用語が意図的に排除されており感覚的に操作できるようになっています)
  • スマホアプリを使って日常的に経理をしたい方(アプリの操作性が良いです)
  • 完全自動経理化をお考えの方(freeeでは同じパターンの取引については一度登録すれば登録確定操作まで自動化が可能。MFクラウドではAIが作成した仕訳の登録確定操作は自動化できない)

MFクラウド(マネーフォワード)がおススメの方

  • 経理や会計の経験がある方(従来の会計ソフトを使っていた方や簿記の知識がある方はMFクラウドの方が違和感なく使えます)
  • 経理を月や年でまとめてされる方(仕訳を50件まで一括登録確定する機能があります。freeeでは自動化仕訳を除き1件ずつ登録確定操作が必要)
  • 複数アカウントをお得に作成したい方(MFクラウドはアカウント増設無制限、freeeは4名以降は1名につき300円/月)
  • 給与計算をお得にしたい方(MFクラウドは5名まで料金内)


ざっくり言ってしまえば、経理初心者であればfreee(フリー)、経理経験者であればMFクラウド(マネーフォワード)が相性がいいと言われています。ただ、これはあくまでも一般論であり、クラウド会計ソフトは日々アップデートされていますので、ご検討される場合には、ぜひ実際に触れられて使いやすいものを選ばれることをおススメいたします。

クラウド会計ソフトの機能比較表

※2020年4月時点

freee
MFクラウド
初期費用0円0円
無料お試し期間30日間1ヵ月間
年間料金(税別)
 個人スターター:11,760円
スタンダード:23,760円
プレミアム:39,800円
パーソナルライト:11,760円
パーソナル:23,760円
 法人 ひとり法人:35,760円
スターター:65,760円
スタンダート:107,760円
スモールビジネス:35,760円
ビジネス:59,760円
取引データ自動取込
 銀行 個人法人計:3,336行法人用:2,135行
個人用:1,153行
 クレジットカード   136社142社
 その他サービス49社77社
AI自動仕訳対応対応
一括登録機能あり
(50仕訳まで一括登録可能)
自動登録機能あり
スマホ対応
 レシート読み取り
 仕訳入力 
freeeのアプリで可能

PC版をスマホで操作
 口座残高、損益確認等
アカウント増設3名まで無料
(4名以降は1名につき300円/月)
無制限
(何名でも追加可能)
給与計算、年末調整、社会保険、労働保険
 コスト
人事労務freeeを使用(1,980円/月~)

5名まで無料(6名以上は1名あたり300円/月)
 機能
人事労務関係は人事労務freeeですべて対応可能

一部未対応の機能あり(社会保険関係)
請求書発行
(別途郵送料)

(別途郵送料)
サポート
メール
チャット
電話(上位コースのみ)

メール
チャット
電話(上位コースのみ)
アップデート対応無料無料
ユーザビリティ(使いやすさ)
経理初心者でも分かりやすいようにガイドが豊富

ガイド表示がないため簿記の知識がないとやや分かりにくい
仕訳入力、補助簿
補助簿がなく、タグ付けという機能を用いるため経理経験者にはかえって管理しずらい。慣れれば便利な面もある。

一般的な仕訳入力に対応しているため、経理経験者には分かりやすい。その反面、経理初心者にはやや分かりにくい。
確定申告(個人)
電子申告対応/スマホ対応

電子申告対応
消費税申告(個人)
電子申告対応/スマホ対応

電子申告対応
確定申告(法人)
申告freeeを使用

申告は別ソフトが必要
税理士・会計士対応
認定アドバイザー制度

公認メンバー制度
市場シェア(法人)
2017年9月MM総研調べ

32.3%
シェア第1位

19.2%
シェア第2位