クラウド会計ソフトの種類
クラウド会計ソフトにはいくつか種類があり、業界全体のシェアは次の図のようになっています。
クラウド会計ソフトは上位4社で約8割のシェアを占めており、その中でもfreee、MFクラウドで約半分のシェアを占めています。当事務所ではシェア上位2社のfreee(フリー)、MFクラウド(マネーフォワード)の2つに絞って取り扱っております。
なお、シェア第3位の弥生会計オンラインは、銀行口座の自動連係機能がなく、いったん外部のソフトを使用してデータを取り込んだ後に弥生会計オンラインと同期するという方法が取られているため、自動連携による経理業務の効率化を重視している当事務所では、現在は取り扱っておりません。
クラウド会計ソフトの選び方
クラウド会計ソフトを選ぶにあたっては、どのような目的でクラウド会計ソフトを導入するかを明確にすると判断しやすくなります。検討すべきポイントとしては次のような項目があります。
大手のクラウド会計ソフトでも操作性やサポート体制などには少しずつ違いがあり、使用感については好みの問題もあるため、まずは各社が設けている無料お試し期間でいろいろと操作をしてみて選ぶのが確実です。
とはいえ、いろいろ試すのは面倒!という方のために、freee(フリー)、MFクラウド(マネーフォワード)のそれぞれについて、どのような方が相性がいいかご紹介いたします。ご参考にしていただければと思います。
freee(フリー)がおススメの方
- 経理や会計が全く分からない方(freeeでは借方・貸方といった会計用語が意図的に排除されており感覚的に操作できるようになっています)
- スマホアプリを使って日常的に経理をしたい方(アプリの操作性が良いです)
- 完全自動経理化をお考えの方(freeeでは同じパターンの取引については一度登録すれば登録確定操作まで自動化が可能。MFクラウドではAIが作成した仕訳の登録確定操作は自動化できない)
MFクラウド(マネーフォワード)がおススメの方
- 経理や会計の経験がある方(従来の会計ソフトを使っていた方や簿記の知識がある方はMFクラウドの方が違和感なく使えます)
- 経理を月や年でまとめてされる方(仕訳を50件まで一括登録確定する機能があります。freeeでは自動化仕訳を除き1件ずつ登録確定操作が必要)
- 複数アカウントをお得に作成したい方(MFクラウドはアカウント増設無制限、freeeは4名以降は1名につき300円/月)
- 給与計算をお得にしたい方(MFクラウドは5名まで料金内)
ざっくり言ってしまえば、経理初心者であればfreee(フリー)、経理経験者であればMFクラウド(マネーフォワード)が相性がいいと言われています。ただ、これはあくまでも一般論であり、クラウド会計ソフトは日々アップデートされていますので、ご検討される場合には、ぜひ実際に触れられて使いやすいものを選ばれることをおススメいたします。
クラウド会計ソフトの機能比較表
※2020年4月時点
freee | MFクラウド | |
---|---|---|
初期費用 | 0円 | 0円 |
無料お試し期間 | 30日間 | 1ヵ月間 |
年間料金(税別) | ||
個人 | スターター:11,760円 スタンダード:23,760円 プレミアム:39,800円 | パーソナルライト:11,760円 パーソナル:23,760円 |
法人 | ひとり法人:35,760円 スターター:65,760円 スタンダート:107,760円 | スモールビジネス:35,760円 ビジネス:59,760円 |
取引データ自動取込 | ||
銀行 | 個人法人計:3,336行 | 法人用:2,135行 個人用:1,153行 |
クレジットカード | 136社 | 142社 |
その他サービス | 49社 | 77社 |
AI自動仕訳 | 対応 | 対応 |
一括登録機能 | - | あり (50仕訳まで一括登録可能) |
自動登録機能 | あり | ー |
スマホ対応 | ||
レシート読み取り | 〇 | 〇 |
仕訳入力 | 〇 freeeのアプリで可能 | △ PC版をスマホで操作 |
口座残高、損益確認等 | 〇 | 〇 |
アカウント増設 | 3名まで無料 (4名以降は1名につき300円/月) | 無制限 (何名でも追加可能) |
給与計算、年末調整、社会保険、労働保険 | ||
コスト | △ 人事労務freeeを使用(1,980円/月~) | 〇 5名まで無料(6名以上は1名あたり300円/月) |
機能 | 〇 人事労務関係は人事労務freeeですべて対応可能 | △ 一部未対応の機能あり(社会保険関係) |
請求書発行 | 〇 (別途郵送料) | 〇 (別途郵送料) |
サポート | 〇 メール チャット 電話(上位コースのみ) | 〇 メール チャット 電話(上位コースのみ) |
アップデート対応 | 無料 | 無料 |
ユーザビリティ(使いやすさ) | 〇 経理初心者でも分かりやすいようにガイドが豊富 | △ ガイド表示がないため簿記の知識がないとやや分かりにくい |
仕訳入力、補助簿 | △ 補助簿がなく、タグ付けという機能を用いるため経理経験者にはかえって管理しずらい。慣れれば便利な面もある。 | 〇 一般的な仕訳入力に対応しているため、経理経験者には分かりやすい。その反面、経理初心者にはやや分かりにくい。 |
確定申告(個人) | 〇 電子申告対応/スマホ対応 | 〇 電子申告対応 |
消費税申告(個人) | 〇 電子申告対応/スマホ対応 | 〇 電子申告対応 |
確定申告(法人) | 〇 申告freeeを使用 | △ 申告は別ソフトが必要 |
税理士・会計士対応 | 〇 認定アドバイザー制度 | 〇 公認メンバー制度 |
市場シェア(法人) ※2017年9月MM総研調べ | 〇 32.3% シェア第1位 | 〇 19.2% シェア第2位 |